今回から筋トレ種目の解説記事についても順次更新していこうと思います。
第1回目は、個人的に好きな種目の「シーテッド・ダンベル・サイドレイズ」について、詳しく記事にしていきたいと思います。
パグ太
Contents
シーテッドダンベルサイドレイズのうまいやり方動画
<ジェレミー・ブエンディアのサイドレイズ 0:50〜1:20>
さすがジェレミー、うまいですね。
特に上体の前傾、アゴの引き、肘の角度、動作速度、ダンベルの持ち方がうまいです。すごく集中していて丁寧にやっていますね。
<セルジ・コンスタンスのサイドレイズ 1:09〜1:45>
反動を使う場合に参考になります。
たとえ反動を使っても、小指側から上げる意識、肩をすくめず三角筋を起点に上げる意識などがうまいです。
→あれま。動画が削除されてしまいました、、、(2019/8/27)
シーテッドダンベルサイドレイズの詳しいやり方
シーテッドダンベルサイドレイズで、しっかりと三角筋中部(肩の横の筋肉)に効かせるためには、「基本フォームが大事!」とか「とにかく重量を上げてればいい!」とかでは不十分なことが多いです。
三角筋中部は「動作の不安定さ」や「他の筋肉を使ってしまいやすい」などの点が大きく、とても効かせるのが難しい部位です。
なので、
・基本フォームだけでは、効かせるためのポイントが足りなすぎて、十分な刺激が入りにくい
・重量を上げるだけでは、フォームが乱れて他の筋肉に刺激が逃げるので、結局ピンポイントで効かせきれない
ということが多々あります。
ですので今回はシーテッドダンベルサイドレイズで三角筋中部を十分に効かせきるための細かいポイントやテクニックを交えながら、書いていきたいと思います。
トレーナーY
ベンチの調節の仕方
・ベンチをフラットな状態にする
・座った時に太ももが床とちょうど平行になるくらいの高さの座面を(できるだけ)選択する
座り方
・両足を閉じて膝同士をくっつける
・膝を90度よりわずかに深くに曲げる
・かかとを少し浮かしてつま先体重にする
・上記のポジションがとれるように座面に座る深さを調節する
両足を閉じて膝同士をくっつける
これにより、足腰の安定感が増すので、微妙な体のあおりやブレが無くなり、三角筋中部の同じところに刺激が入りやすくなります。
膝を90度よりわずかに深く曲げておく
膝を伸ばしている場合よりも
②骨盤が立ちやすい
これにより上体が安定します。
ここで、
また、背もたれに背中を当てると、足を開いて座ることになりますので、骨盤の安定感が低下して、上体は背もたれで固定できていても全体的な安定感が低下します。
なので、背もたれなしの状態で安定感を作った方が効きやすいです。
かかとを少し浮かしてつま先体重にする
足の裏をべたつきにすると、かかとに体重が乗る時もあればつま先の方に乗る時もある。というように体重のかかる位置が安定しにくくなります。特にしんどくなってきてからが体重をかかと寄りにかけてあおり動作を助長してしまうので、つま先体重にしておくのがいいです。
ダンベルの持ち方
②親指と人差し指の力を少し抜く
③手首の力をわずかに抜く
ダンベルを持つのでどうしても腕に力が入りますが、 その分意識が腕に逃げることにもなってしまい、三角筋中部の筋活動が低下してしまいます。
なので、いかに腕を使わずに動作をさせるかを考える必要があり、その場合ダンベルの持ち方はとても重要になります。
上記3ポイントを意識することで腕に使用感をかなり抑えることができます。
小指から巻き込むように握る
ダンベルを握る際には、小指から順に巻き付けるように握るといいです。小指側荷重にした方が後に出てくる「小指側から上げる」という意識を持ちやすくできます。
手首の力をわずかに抜く
イメージはこのような感じになります。
若干手首が垂れている感じがありますよね?
グッタリさせるわけではなく、少し力を抜く程度にすると腕の筋肉の動員を減らすことができ、三角筋中部に効きやすくなります。
親指と人差し指の力を少し抜く
大げさに言えば、もはやどちらの指も浮かしておく感じです。
でもこれだと気になってしまったり指の方に意識が向きやすく三角筋中部の負荷が逃げてしまうので、浮かせているつもりで小指側荷重で握りましょう。
上体のポジショニング
・常に肩を外(横)に張り出しておく
(≒フロントリラックスポーズをとる)
(≒広背筋を張り逆三を作る)
・その際に肩がすくまないように
・胸はあまり張らない
(≒良すぎる姿勢はダメ)
(≒ほんの少しだけ背中を丸める)
・体を少しだけ前に倒す
常に肩を外(横)に張り出しておく
<9:05〜9:15>肩の張り出しがわかりやすいです。
人間の体は、肩関節と肩甲骨が連動して動くようになっているのですが、三角筋中部を鍛える場合それがマイナスに働きます。なので肩を横に張ることで肩甲骨を固定でき、肩関節だけが独立して動けるようになります。
これの何がいいかというと、肩甲骨が動くと首の付け根の筋肉(僧帽筋上部、肩甲挙筋など)に負荷が逃げて行ってしまうので、三角筋中部への刺激が減ります。
それが、肩を張り出して肩甲骨を固定することで、首の付け根の筋肉が使われるのを防ぎ、三角筋中部にもっと負荷を乗せることができます。
その際肩がすくまないように
<10:35〜10:50>
肩を外に突き出す際には肩や首元がすくむのはNGです。
すくむと大部分が首元(三角筋中ではなく僧帽筋上部の方)に逃げてしまいます。
なので、肩を下げた状態あるいは首を長くしたような状態で、肩を外に張るのがいいです。
胸をあまり張らない
胸を張ると自然と肩甲骨同士が背骨の方に寄ってしまいやすくなってしまい、せっかく肩を外につき出していても肩甲骨を固定が不十分になってしまいます。
なので、あえて姿勢を良くするように過度に胸を張るようなことはしなくていいです。
体を少しだけ前に倒す
直立よりもほんの少し(5°くらい)前に体を倒します。
こうすることで、あおり動作と首がすくむ動作をしにくくなりますので、三角筋中部の刺激が他に逃げにくくなります。
*これ以上前傾すると僧帽筋上部に刺激が入りやすくなります。
上げ方
・肘を常に135°開く
・小指側から上げる
・終始アゴを軽く引いておく
・終始肩関節の真横に肘関節がくるように
・肩の高さまで肘を上げる
<1:38〜9:14>
スタンディングですが、この方の動作を参考にするのがオススメです。
肘を135°開く
明確にどの角度が一番効くか?の研究報告を踏まえてというわけではないですが、何十回と私がやってきた経験上、またはクライアントのお客様の反応から「この角度が一番効きやすい」と考えております。
肘を完全に伸ばしきると、肩を張る意識が飛びやすく、また腕に意識が入りやすいです。
また、肘を90°に曲げてやると、(特に初心者や中級者の方は)肩がすくみやすくなります。
小指側から上げる
ダンベルを上げる時に、親指よりもどちらかというと小指側が上にくるように手首を少しひねります。
そして、そのまま小指側から上げる感覚を持った方が、神経支配の関係や肘を真横に開きやすいなどの観点から三角筋中部に入りやすいです。
・【三角筋中部の前寄り】または【三角筋前部の後ろ寄り】により強い刺激が入る。
・しかし、腕の筋肉を使いやすくて、肘が肩より前に行きやすいぶん三角筋前部への刺激が強まりすぎる可能性。
パグ太
終始アゴを引いておく
ほんの少しでいいので、動作中ずっとアゴをほんの少しだけ引いておきます。要はアゴが上がらなければいいです。アゴが上がると背中の筋肉が収縮しやすくなるので肩甲骨の固定がゆるまります。
例外的にアゴを上げるテクニックもあります。
①最後の力をふりしぼる時。
アゴを上げてから引くと若干反動の役割をするためダンベルを上げやすくなります。
②三角筋中部の収縮をしっかりと感じたい時。
例えば、トップポジション(ここでは肘が肩の高さまで上がったポジション)で1秒ストップしたり、三角筋中部の収縮をしっかり感じたい時などは、アゴを上げるという一種の煽り動作を入れてからアゴを引くことで収縮感を強めることができます。
終始肩関節の真横に肘関節がくるように
三角筋中部を狙う場合は、肘が体の真横を動作している時が一番良く使われますので、終始真横ラインで動作させます。
疲労してくると、三角筋前部を使おうとして、わずかですが前の方に肘の流れてしまうことが結構ありますので注意ですね。
肩の高さまで肘を上げる
しっかり収縮感を出すことは、重量刺激よりも回数刺激やパンプ系ストレスをメインに与える方が合っているシーテッドダンベルレイズにとっては大切なことです。また、効かせる感覚を養うことにも繋がります。
ただし、肩の高さ以上にあげようとすると肩(僧帽筋上部)がすくみやすいので、肩までにしましょう。
下げ方
・肘を常に135°開く
・終始アゴを軽く引いておく
・終始肩関節の真横に肘関節がくるように
・完全に下げきらず少し手前までにしておく
上記の3つの「上げ方」のところと同じ理由です。
完全に下げきらず少し手前までにしておく
完全におろしきると重力の影響が0になるため、力が抜けてしまいがちです。動作のたびにそこからもう一度意識を入れなおして、、、としていると、三角筋中部に常に意識が入っている時より刺激が上がります。
なので、完全に重力が抜けきる手前までしか下げないようにした方がいいです。
各種プログラミング
重量設定
ダンベル・シーテッド・サイドレイズで高重量を用いることはほとんどないです。むしろ軽すぎるくらいの低回数を用いることが多いです。
回数設定
扱う重量にもよるので明確に何回がいいというのはありませんが、シーテッド・ダンベル・サイドレイズで大事なことは【何回やったかは全く関係ない】ということです。
大げさに言えば、回数はカウントしなくてもいいと思います。
その分の意識を筋肉に注いでもいいかもしれません。
大事なのは【何回やったのか?】よりも
①上げる動作のたびに三角筋中部を使っている感覚があるかどうか?
②毎セット【もう無理。。どうしても上がらない。】という感覚のところまでキッチリ追い込めたか?
ということを目安に行った方が筋肥大効果が高いと思われます。
セット数
シーテッド・ダンベル・サイドレイズでいくら1セット目をめちゃめちゃ追い込んでも1〜2分休憩すれば1セット目の半分くらいの回数は普通に上がります。
なので、追い込むためにはある程度のセット数を積む必要があると考えています。
目安としては、3セット〜6セットくらいかと思います。
休憩時間
シーテッド・ダンベル・サイドレイズに関しては、経験上一番効くのは、長くても2分。ベストは30秒〜1分です。
休憩が長すぎると、パンプ(筋肉がパンパンになっている感じ)が覚めるので何セット積んでもパンプの累積効果によって強烈なパンプが生まれないまま中途半端な追い込みで終わってしまいます。
*回数にはこだわらなくていいですよ。それでもストイックに休憩を短くして5回しか上がらなかったとかなるのでしたら、この種目においてはもう少し長めの休憩をとって最低でも10回〜15回の反復回数は確保sたいです。
シーテッドダンベルサイドレイズのおすすめプログラム
私がやってきてオススメなプログラムを紹介します。
ドロップセット
①5kgで丁寧に30回
②休憩なしですぐに4kgに変えて丁寧に20回
③休憩なしですぐに3kgに変えて多少勢い使かってでも15回
④休憩なしですぐに2kgに変えて多少勢い使かってでも10回
重さや回数は目安です。やり方はこんな感じで休憩なしで4,5セットやる感じです。
(NatureFitnessさん参考)5/4/3/2/1
①片方をトップポジション(肘が肩の高さ)でキープし、もう片方で5回動作
②そしたら動作した方をトップポジションでキープし、逆側を5回
③また左右変えて、今後は4回動作
④左右変えて4回動作
⑤3回、2回、1回→終了
という感じです。使い方はこのプログラムをメインでやるというよりも、通常のやり方(20〜30回連続で実施)で3セットほど積んできて、「もぉきつすぎ、、、」とかなってきて、心理的に限界を迎えそうな時の引き出しとして1セット混ぜる。みたいな使い方がオススメです!
ドロップ&パーシャル
①2種類のダンベルのセットを用意(5kg2本、3kg2本)
②5kgで30回
③すかさず3kgで20回。この時ほんの少ししか下げないというやり方(=パーシャルレップス)で行う
④休憩1分
⑤①に戻す(回数はできるだけ)
さいごに
どんなに外見のフォームを整えても、内面的な意識の持ち方、つまりどのように筋肉を動かすイメージを持てば良いか? がクリアになっていないと効かないことも多々あります。
そんな中でこの動画では、筋肉の動きのイメージについてとても秀逸な表現をしていますので載せておきますね!
この表現、とてもイメージしやすくて私もかなり参考になりました。
<12:40〜13:30>
今回は以上になります。
これから10回にわたって筋トレ種目系の記事を書いていきます!
またよかったらご覧ください!
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