最終更新:2019/06/28
今回は【フィッシュオイル】について書いていきます。
今ではマルチビタミン&ミネラルと同じくらい重要視されるようになってきたフィッシュオイルですが、具体的にどんな効果があってどれくらい摂取するのがベストなのか?ということを詳しく書いていきたいと思います。
パグ太
Contents
フィッシュオイルとは?
フィッシュオイルとは、つまり「魚の油」のことで、ラードなどの動物性脂肪の魚バージョンのような感じです。
パグ太
で、主にサンマやイワシなどの大量に捕獲できる青魚の脂肪油を原料にしています。
農林水産省の下に位置する行政機関の「水産庁」が発表したデータを貼ります。
(出典:http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h20_h/trend/1/t1_12_1_1.html)
平成9〜19年(1997〜2007年)のデータなので、少し古いですが傾向としては変化がないかむしろもっと悪化しているのでは?と思います。
・最近は魚より肉の方がたくさん食べられている
・魚の摂取量が10年で20%減少している
・魚の摂取量は1日平均80g
80gといえば、筋トレしている方なら胸肉とかささみとか食べたことありますよね?
あの80gなんてすごく小さく感じませんか?
ササミならわずか1本で80gくらいありますし。
パグ太
このように魚の摂取量がどんどん減っていますので、これまで魚から得られていた栄養素が少なくなってきています。
健康に大事な栄養素は魚の油に多く含まれているので、誕生したのが魚の油サプリメント【フィッシュオイル】というわけですね。
フィッシュオイルの成分は?
単に「魚の油」と言っても範囲が大きいですので、分類を順を追ってみていきましょう。
まずは全体像としての分類図を貼っておきます。
それでは順を追って説明していきます。
脂肪酸って?
まず「脂肪酸」とはなんぞや?ですが、脂肪酸とは食事から摂った脂質が最後まで分解されたものを言います。
パグ太
飽和/不飽和脂肪酸って?
飽和脂肪酸は状態が安定していて常温では固体になっています。
なので体内に脂肪として貯めておくことができてしまいます。
一方、不飽和脂肪酸は状態が不安定で常温では固まりにくく、水酸化物イオン(OH)などとくっつきやすくなっています。そしてくっつくと反応の過程で活性酸素ができるので、体の酸化を助長してしまいます。
パグ太
ただ、不飽和脂肪酸は厳密に言えば2種類あります。
・シス脂肪酸
・トランス脂肪酸
パグ太
不飽和脂肪酸の中でもトランス脂肪酸は体の酸化を引き起こします。
これは油脂の加工や精製の過程でできるのでマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどに多く含まれています。
トレーナーY
*フランスの研究機関において、1995〜19998年の延べ19,934人の女性の追跡調査を行い、その間に363例の乳がんが報告された研究の結論として、【シス脂肪酸は乳がんのリスクとは無関係だが、トランス脂肪酸は乳がんのリスクの一因になっている】と結論づけました。
参考 参考資料2009.フランス*厚生労働省の資料では、トランス脂肪酸が心筋梗塞や肥満と関連していると報告しています。(諸外国の研究結果をもとにしています。)
参考 参考資料厚生労働省
一方のシス脂肪酸は、天然の食品に含まれている脂肪酸で、例えば肉類、魚類、オリーブなどの脂質の中にはこのシス脂肪酸が多いです。
トレーナーY
一価/多価不飽和脂肪酸って?
さて、では表に戻りまして、不飽和脂肪酸は構造の違いにより2つに分けることができます。
・一価不飽和脂肪酸
・多価不飽和脂肪酸
パグ太
・主にオメガ9脂肪酸のオレイン酸のことを言っていると思って良い
・具体的にはオリーブ油、キャノーラ油、なたね油
・善玉(HDL)はそのままに悪玉(LDL)コレステロールを低下させる
・冠状動脈疾患(心筋梗塞など)のリスクを低下させる
・植物や魚に多く含まれていて体内では作れない
→食べ物から摂取する必要がある
・劣化しやすいため鮮度が重要
・血圧、血糖、コレステロールなど様々な数値に良い効果をもたらす
ということで多価不飽和脂肪酸をもっと掘り下げてみてみましょう!
オメガ6脂肪酸って?
まずオメガ6脂肪酸に代表される脂肪酸は以下の3種類です。
このうち、アラキドン酸やγ-リノレン酸はリノール酸の代謝過程でもできるので、
なお、厚生労働省資料「日本人の食事摂取基準」によりますと、「日本人が摂取してる98%はリノール酸です。」ということなので、「オメガ6=リノール酸」として捉えておいてもいいです。
・リノール酸
・アラキドン酸
・γ-リノレン酸
また、オメガ6脂肪酸が多くふくまれている食品は以下の3種類になります。
・べにばな油
・大豆油
・コーン油
・目安量:10g
・欠乏症:バランスのとれた食事をしていれば不足することはないので、欠乏症は報告なしです。
・過剰症:アトピーや花粉症の悪化、逆に動脈硬化などの心臓血管系リスクが高まります。
トレーナーY
オメガ3脂肪酸って?
さて、やっっときましたね!!
オメガ3脂肪酸は大きく以下の3種類に分けることができます。
・ALA(α-リノレン酸)
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
・EPA(エイコサペンタエン酸)
そしてフィッシュオイルを摂取する目的は、オメガ3脂肪酸のDHA,EPAを摂取したいがためになります!!
それでは「DHA,EPAの何がそこまでいいのか??」について見ていきましょう!!
フィッシュオイルの効果!
フィッシュオイルの効果は、DHA,EPAによるものです!
それではDHA,EPAにはどんな効果があるのでしょうか??
結論から述べます!
DHA,EPAはヒトの健康において、ものすごくたくさんのいいことをしてくれます!
トレーナーY
についてはここから見ていきましょう。
効果①:EPA摂取は狭心症、心筋梗塞のリスクを抑える
EPAの効果について、日本において実施された有名な研究があります。
<追跡期間>
平均4.6年
<出資>
持田製薬
(実験デザインや実施、判定、論文執筆には一切関与していないことが明記)
<対象>
高脂血症の男女18,645人(40〜75歳)
EPA摂取群(1,800mg/日)とコントロール群に分けた
結果は以下のようになりました。
・主要冠動脈イベントのリスクが18%減少した。
・非致死性の冠動脈イベントのリスクが19%減少した。
・狭心症のリスクが24%減少した。
・特に冠動脈イベントを過去に経験している方の2回目の発生を抑える
つまり、EPAの摂取によって心筋梗塞や狭心症などが起きるリスクが減ったということです。
これら冠動脈イベントは、主に動脈硬化などにより血管が詰まることによって発生するので、EPA摂取により血液の粘度が改善されて血管のつまりが減少するためと考えられます。
効果②:フィッシュオイル摂取はインスリン感受性を改善する
2016年12月までの17件の研究報告と、のべ672人の対象者から得られた、インスリン感受性における総合的な見解が以下になります。
体を大きくする、筋肉をつけるにはインスリンが不可欠です。
また、インスリンがたくさん分泌させていても、それを受け取る方がしっかりと機能していないと体には作用しません。
その機能がしっかりしているかの度合いが「インスリン感受性」になります。
代謝異常(ここでは特に糖尿病の方だと考えられます)の方のインスリン感受性を増加させるとのことです。
トレーナーY
効果③:オメガ3の摂取は免疫を高め、炎症を抑える
1950年〜2013年までの計68件の研究とのべ4,601名の対象者にから得られた総合的な見解として、フィッシュオイルの継続的な補給により、免疫を高めることがわかりました。
参考 参考文献2014.中国その理由として、炎症や異物侵入、体内での異物の増殖などが起こった際に、免疫システムが作動して炎症を抑えたり異物を除去するように働く物質がたくさん作られますが、オメガ3摂取群ではその量が優位に低下していました。
これは、免疫が作動しなくなったとか免疫物質が働かなくなったとかではなく、免疫物質をたくさん作らなくても良いように、炎症発生や異物侵入の初期過程での対処がなされるようになったからです。
トレーナーY
研究報告では、オメガ3摂取群ではIL-6、CRP、TNF-αのレベルが低下していました。
効果④:オメガ3の摂取は筋形成を促進する
炎症成分(つまり、炎症が起きている時の分泌が多い成分)のPAL(パルミチン酸)やTNF-α(腫瘍壊死因子)は筋形成を阻害することがわかっています。
オメガ3は、上記の効果③の研究でもあるように免疫を高め炎症を抑えたり、抗炎症作用を活性化させます。
それにより、PALやTNF-αを抑制することで、結果的に筋形成を促進させます!
パグ太
効果⑤:フィッシュオイルの摂取は筋量と筋力を向上させる!
supplementation of elderly women with FO during 12 weeks of resistance exercise training enhanced skeletal muscle strength and functional capacity (Rodacki et al. 2012).
one study has shown 6 months of FO supplementation improves muscle mass and function in elderly men (Smith et al. 2015).
と疑問に思いますね?
しかし、結論から言えば、さらに筋たんぱく合成を高めるわけではありませんでした。
この理由として、
高齢者で筋たんぱく合成を最大化するためには、若い方よりも多くのたんぱく質を必要としますので、なかなか筋合成のスイッチを入れられません。
だからこそ、オメガ3のサプリメンテーションがスイッチオン!の助けになったのだと思っています。
一方で、若い方なら少しの筋トレや栄養面の工夫で筋たんぱく合成のスイッチがオンになります!!
なので元からスイッチがオンだったため、いくらフィッシュオイルを摂取したとしても、筋たんぱく合成の有意差が出るわけないですね。
参考 参考資料2018.オーストラリアしかし!!
他の研究で、タンパク質合成を活性化させるmTORを活性化させるp70S6Kという酵素を活性化させることが報告されていますので、(現在は高齢者での結果が顕著ですが)誰であれ筋肥大にプラスに作用するものと思います。
トレーナーY
フィッシュオイルを買ってみた!
今回は高品質で有名なCGN(カリフォルニアゴールドニュートリション)のフィッシュオイルを買ってみました!
さりげない金縁のパッケージがゴージャスで高級な感じがありますね。
フィッシュオイルの成分は?
成分は裏面に書いてあります。
栄養成分的には以下のような感じになっています。
カロリー | 20kcal |
脂質 | 2g |
コレステロール | 0mg |
フィッシュオイル全体 | 2,000mg |
オメガ3脂肪酸合計 | 640mg |
EPA | 360mg |
DHA | 240mg |
その他のオメガ3 | 40mg |
*2カプセルでの配合量です。
つまり、1カプセルでEPA180mgとDHA120mg入っているということですね。
魚に含まれるDHA,EPAはどのくらい?
では実際の魚には、DHA,EPAがどれくらい入っているのでしょうか?
漁業組合のデータを拝借して表を作成してみました。
青魚名 | EPA | DHA |
---|---|---|
サバ | 1,200mg | 1,800mg |
イワシ | 1,400mg | 1,100mg |
サンマ | 800mg | 1,400mg |
*数値は四捨五入して概算値にしています。
参考 参考資料京都府漁業協同組合トレーナーY
どこのメーカーのフィッシュオイルがオススメか?
これに関しては、私が購入したカリフォルニアゴールドニュートリション(略してCGC)のフィッシュオイルがいいと思います。
市販のフィッシュオイルはコスパが悪いのであまりオススメはしないです汗
なぜオススメかと言いますと、2つ理由があります。
・メーカーの信頼性
・コスパ
ですね。
メーカーの信頼性
カリフォルニアゴールドニュートリションというサプリメントメーカーは品質の高さで有名です。
パグ太
例えば、グルタミンパルダーでは粒のきめ細やかさが全然違います。
他の製品と比べるとよくわかるのですが、すごくサラサラしていて溶けやすいんです!!
フィッシュオイルを摂取する目的としては、上記のように確かに筋力向上、筋肥大という直接的な効果もあるにはあるのですが、第一に狙うのは「血管、免疫などに関わる健康の維持増進」です!
また、フィッシュオイルは他にも目の細胞の健康や、脂肪として溜まりにくい効果など、数多くの健康に関わる効果がありますので、【日々のコンディショニングの維持する】ことでの筋トレの調子を快調にする。
ということを狙いたいので、なるべく安全性の高い製法で作られているフィッシュオイルを選びたいものです。
となると私としてはCGCのフィッシュオイルがいいと思っています。
コスパ
あとは何と言ってもコストパフォーマンスですよね。
オメガ3脂肪酸、つまり「EPA+DHA」がどれくらいの量入っているのか?を値段とにらめっこした場合にどうか?ということですね。
それでは有名メーカーのコスパデータを調べましたので以下に書いておきますね。( 2019/06/28現在)
ネイチャーメイド
ドラッグストアなど市販でよく目にしますよね。
なので、買いたい時にすぐ買えるのですがコスパはあんまりよくないですね。
定価よりも20%ほど安く買えるAmazonでのコスパを載せておきます!
1,138円・90粒・EPA162mgDHA108mg=270mg/1粒
→12.6円/1粒
オプチマム
955円・100粒・EPA?mgDHA?mg=300mg/1粒
→9.55円/1粒
ナウフーズ
1051円・200粒・EPA180mgDHA120mg=300mg/1粒
→5.25円/1粒
カリフォルニアゴールド
659円・100粒・EPA180mgDHA120mg=300mg/1粒
→6.59円/1粒
トレーナーY
フィッシュオイルのコスパは正直たかが知れていますが、安いなりに倍の値段の差があったりするので、毎日ずっと摂り続けることを考えれば、意外とバカにならないですよ!
フィッシュオイルの摂取量とタイミングは?
ではフィッシュオイルをいつにどれだけ摂取すればいいのか?を見ていきたいと思います。
摂取量
あまり明確に報告されているわけではないのですが、研究報告を見ていると100mg単位での摂取はほとんどありませんね。
だいたいが1000mg単位での摂取になっています。それも1gよりも多い研究報告が大部分を占めています。
ですので、この事実から
フィッシュオイルの摂取量はEPA+DHAで最低2,000mg
がいいと思います。
フィッシュオイルの1粒が300mgのEPA+DHAが入っていますので、1日6粒の摂取がいいと思います!
パグ太
摂取タイミング
なんでもそうですが、サプリメントは1度にどっさり摂ると、体外に排出されやすい傾向にあります。
トレーナーY
ですので、小まめに摂取することがいいです。
また、食事と一緒に摂取すると吸収効率が逆に高まる場合もありまして、オメガ3などの脂肪酸は水に溶けにくい性質があるので、空っぽの胃で摂取するよりも何か食べ物と一生に摂取した方が吸収されやすくなります。
なので結論はこうです。
朝、昼、晩の食事と一緒に2粒ずつ摂取する
トレーナーY
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最近のに日本人ではなかなか青魚を食べる習慣が減ってきていますので、この機会にご自身の健康のために土台となるフィッシュオイルを摂取してみてはいかがでしょうか?
全く青魚を食べていないような方であれば、まずは半分の1,000mg(3粒)からでも体の調子が良くなるかもしれません。
フィッシュオイルの体感というのは、なかなかわからないと思いますが、継続こそが来年の健康診断の結果につながると信じて長期摂取を計画してみては?
パグ太
最終更新:2019/06/28
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