最終更新:2019/08/01
今回は【Tバーロウマシン】についての記事を書いていきます。
Tバーロウマシンは、やり方次第で背中の広がり(主に広背筋)にも、背中の厚み(主に僧帽筋中部)にも効かせることができます。
あのシュワちゃんも好んでやっていた種目だけに、しっかりしたやり方でできれば背中の筋肥大がもっと加速しそうですね!
というわけで早速ですが、やり方を見ていきましょう。
パグ太
Contents
Tバーロウマシンとは?
まず
Tバーロウってどんな種目??
と思われている方もいるかもしれないので、画像と動画を貼っておきますね。
「T」の形をしたバーを引く(=ロウ)するところからこの名前がついたのですね。
<参考画像>
<参考動画 シュワちゃん1:37〜1:44>
と、こんな感じの動きをするのがTバーロウです。
ベントオーバーロウの軌道が少し斜め上にいった感じの種目ですね。
今回は【Tバーロウマシン】ですので、体が自然とうつ伏せになれるような台がついているタイプでのやり方を説明します。
<参考画像>
(出典:https://www.muscleandstrength.com/exercises/machine-t-bar-row.html)
Tバーロウマシンでの効かせ分け
背中は広背筋、僧帽筋、菱形筋、大円筋、脊柱起立筋群などいろんな筋肉が集まってできていますので、【そのうちのどの筋肉を一番狙うのか?】によって、やり方にバリエーションが出てきます。
①広がりを鍛える
A.【上部】の広がりを鍛える
B.【中部/下部】の広がりを鍛える
②厚みを鍛える
Tバーロウマシンで背中の広がりを鍛える
背中の広がりを鍛えるといえば、主に広背筋を鍛えるということです。
広背筋を鍛える場合にも2つに分けることができます。
・上部の広がりを鍛える
・中部や下部の広がりを鍛える
なので、厳密にいえばTバーロウマシンで背中の広がりを狙う場合、2つのフォームがあります。
上部の広がりを鍛える
・広い方のグリップを順手で握る
・親指を外し(=サムレスで握り)小指側荷重にする
*ただし、高重量を扱う場合は親指は外さないでしっかりと握っておく
・グリップが肩の高さより拳3つ分下に来るような位置でパッドにうつ伏せになる
・肩甲骨を下げて(=肩を下げて、首を長くして)から、内側にキュッとだけ寄せる
・そこから胸(肋骨)を斜め上にキュッとだけ突き上げる
広い方のグリップを順手で握る
広背筋の上部を鍛える場合は、(解剖学的に言えば肩関節の伸展と内転という動きを出すのが大事なので)広い方のグリップを選びます。
(出典:http://www.trainingequipmentdirect.com/product/torque-fitness-m-series-commercial-plate-loaded-t-bar-row/)
親指を外し(=サムレスで握り)小指側荷重にする
親指荷重にすると広背筋に刺激が入りにくくなります。
また、小指側荷重にすると広背筋に刺激が入りやすくなります。
そのためいっそのこと、親指を抜いたサムレスで、しかも小指側荷重にすれば、広背筋に効きやすくなります。
<サムレスグリップの例>
グリップが肩の高さより拳2つ分下に来るような位置でパッドにうつ伏せになる
体に対して握るのが上すぎると、肩がすくみやすく、引いた時に肘が開きやすくなり、僧帽筋など厚みに関係する筋肉に効いてしまいます。
なので、肩の高さよりも少し下の方で握ることで、肩がすくみにくく、脇を締めてできるので、広背筋に効かせやすい。という感じです。
肩甲骨を下げてから、内側にキュッとだけ寄せる
肩甲骨を下げて寄せる。つまりこういうイメージです。
<イメージ>
(出典:プロメテウス解剖学アトラス 第2版)
パグ太
トレーナーY
そこから胸を斜め上にキュッとだけ寄せる
この動きも大事なのは「キュッ」という程度でいいです。
強く意識しすぎて「ギューッ」と突き上げてしまうとしんどくて戻りやすくなります。
<イメージ>
(出典:プロメテウス解剖学アトラス 第2版)
・引く時に肘を体につけるような軌道、つまり斜め内側に向かって引く
・引く時に顔とアゴを上げながら引く
(少なくともアゴを引いて下を見ないように!)
引く時に肘を体につけるような軌道、つまり斜め内側に向かって引く
<良いイメージ>
若干肘をたたんでおり、斜め内側に向かっている感じがある。
(出典:https://bodybuilding-wizard.com/supported-t-bar-row/)
<良くないイメージ>
広背筋上部の広がりを鍛える場合、肘を外に張り出してはいけない
胸を張るのではなく突き上げて、上体をのけぞる
イメージですが上半身をみぞおちのところで上下に分けたとして、引く時に上半身の上半分をパッドから離してでも、しっかりと胸を突き上げた状態でのけぞるようにするとさらに広背筋に入ります。
<イメージ>
引くときに天井を見るように顔を上げる
天井を見るように顔とアゴを上げるようにします。
少なくともアゴを引いて下を見ないようにします。
中部や下部の広がりを鍛える
・狭い方のグリップを順手(かパラレルグリップ)で握る
・親指を外し(=サムレスで握り)小指側荷重にする
・グリップが肩の高さより拳3つ分下に来るような位置でパッドにうつ伏せになる
・肩甲骨を下げて(=肩を下げて、首を長くして)から、内側にキュッとだけ寄せる
・そこから胸(肋骨)を斜め上にキュッとだけ突き上げる
パグ太
狭い方のグリップを順手(かパラレル)で握る
広背筋の中部/下部を鍛える場合は、(解剖学的に言えば肩関節の伸展という動きを出すのが大事なので)狭い方のグリップを選びます。
親指を外し(=サムレスグリップ)小指側荷重にする
親指荷重にすると広背筋に刺激が入りにくくなります。
また、小指側荷重にすると広背筋に刺激が入りやすくなります。
そのためいっそのこと、親指を抜いたサムレスで、しかも小指側荷重にすれば、広背筋に効きやすくなります。
<サムレスグリップの例>
グリップが肩よりこぶし3つ分下に来るような位置で握る
体に対して握るのが上すぎると、肩がすくみやすく、引いた時に肘が開きやすくなり、僧帽筋など厚みに関係する筋肉に効いてしまいます。
なので、肩の高さよりも少し下の方で握ることで、肩がすくみにくく、脇を締めてできるので、広背筋に効かせやすい。という感じです。
肩甲骨を下げてから、内側にキュッとだけ寄せる
肩甲骨を下げて寄せる。つまりこういうイメージです。
<イメージ>
(出典:プロメテウス解剖学アトラス 第2版)
パグ太
トレーナーY
胸(肋骨)を斜め上にキュッとだけ突き上げる
この動きも大事なのは「キュッ」という程度でいいです。
強く意識しすぎて「ギューッ」と突き上げてしまうとしんどくて戻りやすくなります。
<イメージ>
(出典:プロメテウス解剖学アトラス 第2版)
・脇を軽く締めて、肘を真後ろ(うつ伏せなので真上とも言う)に引く
・胸を張るのではなく、突き上げて上体をのけぞる
・引くときに天井を見るように顔を上げる
脇を軽く締めて、肘を真後ろ(うつ伏せなので真上とも言う)に引く
<参考画像>
(出典:http://ignorelimits.com/how-to-lying-t-bar-row/)
パグ太
胸を張るのではなく突き上げて、上体をのけぞる
イメージですが上半身をみぞおちのところで上下に分けたとして、引く時に上半身の上半分をパッドから離してでも、しっかりと胸を突き上げた状態でのけぞるようにするとさらに広背筋に入ります。
<イメージ>
<参考画像>
(出典:http://ignorelimits.com/how-to-lying-t-bar-row/)
パグ太
引くときに天井を見るように顔を上げる
少なくともアゴを引いて下を見ないようにします。
参考画像では下を向いてしまっているので、もう少し上を向くようにして引くのがいいです。
Tバーロウマシンで背中の厚みを鍛える
・広い方のグリップを順手で握る
・指全体に力を入れるようにして握る
・グリップが肩の高さより拳1つ分下に来るような位置でパッドにうつ伏せになる
・肩甲骨を下げて(=肩を下げて、首を長くして)から、内側にキュッとだけ寄せる
・そこから胸(肋骨)を斜め上にキュッとだけ突き上げる
パグ太
特筆することを下記に詳しめに書きます。
指全体に力を入れるように握る
神経支配の関係で言えば、親指や人差し指側に力を入れたほうが、背中の厚みに関係する筋肉には刺激が入りやすいです。
ですが、Tバーロウマシンの場合は、軌道の制限があるせいでうつ伏せになるポジションがベストでないと、上腕二頭筋(力こぶの筋肉)の屈曲作用やその他腕の筋肉を使いやすかったりするため、総合的に考えるとTバーロウマシンの場合は親指や人差し指荷重にするよりも、指全体でまんべんなく荷重する方が効きやすいと考えています。
グリップが肩の高さより拳1つ分下に来るような位置でパッドにうつ伏せになる
背中の広がりの場合は拳3分腕を下げるイメージでしたが、厚みの場合は拳1つ分がいいです。
要は、【肩よりは下げるけどもその程度にしておいて、それ以上は下に下げない】ようにすると厚みに関連する筋肉に効きます。
*その他に関しては上記で2度書きましたので省きます。
・脇を少しだけ締めて、肘を張った状態のまま真上に引く
・胸で迎えに行く
・肘を引くときアゴを引く
脇を少しだけ締めて、肘を張った状態のまま真上に引く
脇を締めるというと語弊があるかもしれませんが、上記画像のように、【肩の高さより肘を若干下に下げる程度に脇を締める】という感じです。これがグリップの高さを肩より拳1つ分下げるというのと同じことを意味しています。
で、その状態から肘を真上に引きます。この時肩甲骨同士を寄せる意識、または左右の肩甲骨を背骨に近づける意識を持って行います。
この時、
と思った方もいるかもしれません。確かにその場で実際にやってみるとそんな感じもしますが、Tバーロウマシン上で行うと、マシンの構造上斜め上向きになっているパッド上にうつ伏せになるので、バーの軌道も斜め上になるためどうしても肩がすくみやすく、首の付け根の筋肉に負荷が逃げやすいです。
その状況で、肩甲骨を寄せる動きに慣れていない方や肩甲骨周りが硬い方が肘を内側に寄せると、肩甲骨が内側による代わりに肩を上方に逃がすことで代償をしてしまうことが多々あります。
なので、肘を内側に寄せる意識は持たない方がいいのかなと考えています。(ただし肘を内側に寄せても肩が上がる動きがないのであれば、採用してもいいかと思います。)
肘を引くときに胸で迎えに行く
この表現は個人的にいいなぁと思っており、お客様にもよく使うのですが、【肘を引くと同時に、胸で迎えに行きます】
つまり、肘を引くのと同じタイミングで、胸を突き出すといいますか、余計に張るといいますか、胸をパッドに押し付けるといいますか、そのような動きをすると後方へのあおりが防止されて肩甲骨をさらに寄せやすくなります。
肘を引くときアゴを引く
また、肘をガッ!っと引くと上体が後方にあおられることになり、収縮感が下がってしまいますので、肘を引くと同時にあおられないようにあごを微妙(10〜30°程度)に引きます。(大げさすぎるとそれはそれで上腕二頭筋など腕に刺激に逃げやすいです。)
呼吸について
上記のどの部位に効かせる場合でも、またはどんな重量を持とうとも呼吸はこのようにしておきます。
回数、セット数、休憩
重量ストレス重視の場合
重量の刺激を用いて筋肥大につなげようと思っている時は、
・重量:6〜8回MAXの重さ
・セット間休憩:2〜3分
・セット数:3〜4セット
がいいと思います。
パンプ系ストレス重視の場合
「もぉムリだぁぁ」と思うほど筋肉をしんどくさせて筋肥大につなげようと思っている時は、
・重量:10〜20回MAXの重さ
・セット間休憩:30秒〜1分
・セット数:3〜5セット
がいいと思います。
*胸の次の日にはやらない方がいいです。
大胸筋にパッドが当たって痛くて集中できず追い込みきれず終わってしまいます。
まとめ
Tバーロウマシンを部位ごとに効かせ分けるやり方は以上になります。
背中の筋肉は意識が難しいので、上記のポイントをコツコツ練習していくといいかと思います。
パグ太
最終更新:2019/08/01
コメントを残す