最終更新:2019/08/31
今回は、じゅげむのように長い名前の筋トレ種目について解説していきたいと思います!
その名も【スタンディングダンベルワンハンドフロントレイズ】です!
つまり、
「立って、ダンベルで、片手で、フロントレイズをする」ということですね!
・・・と思ったのですが、ちょっと名前が長すぎるので、【ワンハンドフロントレイズ】ということで!
この種目は一見するとカンタンなように見えますが、すごく難しいです、、汗
負荷が前腕に逃げたり、上腕に逃げたりしやすいですし、立って、片手で上げるとなればバランスの問題もありますし、とにかく1回1回の再現性を高めることが難しい。
再現性が低く、毎回微妙に違うフォームになってしまうと、筋活動が毎回違っているということになるので、対象としている三角筋前部に十分に刺激が入りきる前に他の部位が疲れて終了・・とかもけっこう考えられます。
トレーナーY
Contents
ワンハンドフロントレイズってどんな種目?
このブログを見に来てくれている皆さんは、一度ならず何度もやった経験があるのではないでしょうか?
上記の動画のように、一見するととてもシンプルな動作ですよね。
パグ太
ですが、見よう見まねで肩関節の屈曲、つまり腕を前に上げる動作をしてみてもイマイチ三角筋前部に効かなかったり、それよりも腕を使っている気がしたりなどするのではないでしょうか?
パグ太
ということで以下で、フォームの作り方やポイントを紹介していきたいと思います。
ワンハンドフロントレイズのやり方/ポイントの優先順位
ポイントがたくさんありますので、「筋肉に効かせる」という意味での優先順位を星の数で表示しています。
星の数が多いほど、大切なポイントと考えています。
ワンハンドフロントレイズのやり方/ポイント
①ワンハンドということ
トレーニングテキストを見ていると、フロントレイズは基本的に両手のものを紹介しています。
しかし、私が紹介するのは片手バージョンになります。
なぜか?と言いますと、それは
ということになります。
トレーナーY
ということなのですが、それは主に以下2点による影響になります。
・単純に2つの筋肉を意識するより1つの方が意識しやすい
・支点となる関節の影響
簡単にそれぞれを説明していきますね。
単純に2つの筋肉を意識するより1つの方が意識しやすい
これは明白ですよね。
対象としている三角筋前部が左右で2つあるよりも、右か左かのどちらか1つに絞った方が、筋肉への意識をしやすくなります。
なので筋活動が高まりやすくなりますし、負荷が抜けた時も気づきやすくなり動作の修正をすぐにすることができます。
パグ太
![](https://kintledge.site/wp-content/uploads/2019/02/これが最新版-min-160x160.png)
支点となる関節の影響
次ですが、これはイメージしにくいかもしれないですので、図の力を借りながら説明をしていこうと思います。
<左図:両手にダンベルを持ってフロントレイズをした場合>
この時は直立をしているため、両足にほぼ均等に体重がかかっており、重心の位置は(体を左右で割ったときの)体の真ん中になります。
なので、肩を動かすときに胸鎖関節が支点として機能してしまいますので、肩鎖関節の動きが入ります。三角筋前部は肩鎖関節の動きには直接関与しないので、肩鎖関節が動くと安定化のために鎖骨下筋が働いたり、多少胸鎖乳突筋が働いたり、僧帽筋上部の筋活動が高まったりします。
<右図:片手にダンベルを持ってフロントレイズをした場合>
この時は、体重がダンベルを持っている方向に流れ、重心も同じ方向に流れます。
すると、支点となる関節も、胸鎖関節から肩鎖関節(つまり肩関節)に移ります。
このため、上記で言ったような胸鎖関節の動きによって関与する三角筋前部以外の筋肉の動きが減って、筋活動が低くなりますので、結果的に三角筋前部への意識や刺激が増えやすいということです!
②親指/人差し指/中指側でダンベルを持ち、手首を若干橈屈
どちらかといえば、親指側でしっかり握った方が三角筋前部に入りやすいです。
また、その時の手首の角度ですが、少し上に向けておく方が入りやすいですね。
タイトルの「橈屈」というのは「少し上に向けておく」ということです。
→すみません、書いて置いてあれなのですが、このポイントは伝えるのが難しいですね。。
このポイントの想定は重めのダンベル(8RM)を使うときです。
でも使わなかったからといって、それほど負荷が逃げるわけでもないですし、かと言って使っても程度によっては効きにくくもなるのであまりいいポイントではなかったです汗
とても軽いダンベル( 20RM程度)であれば、逆に握る意識は最小限にして、手首も下に垂れない最小限の力に抑えて行う方が前腕を使わなくなるので三角筋前部に効きやすいです。
③体重を8:2で片足に乗せる
画像のように片方の足に体重を乗せます。
そうすることで、支点を肩鎖関節に移しやすくなります。
その際に体重を片足にかけ過ぎたり体を流し過ぎたりすると、動作中によろけたり、バランスが取りにくくなってしまいますので2割ほど反対の足に体重を残しておく程度がいいと思います。
④肩をわずかに下げる
肩を若干下げておいたほうが三角筋に効きやすくなります。
腕を前に上げていくときには、肩甲骨も連動して動くことになり、効率的な動きをするようになっています。
肩甲骨が動くということは、肩甲骨の周りについている筋肉が働くからなので、三角筋前部以外の筋肉が動員させやすくなり、結果的に効きが逃げやすくなります。
なので、あらかじめ肩を下げておくことで、肩甲骨の上方回旋という動きをあえて出にくくすることで、肩がすくむような代償を防ぐことにつながり、三角筋前部の負荷を逃げにくくさせることができます。
⑤腕を肩から若干内側に回す
三角筋の働きには、「腕を肩から内側にひねる」という働きがあります。
なので、ダンベルを上げきった時(収縮ポジション)では、腕を肩から内側にひねった状態にしていたいです。
その時に2つのバリエーションがありますよね?
・ダンベルを下ろしている状態の時からすでに腕を肩からひねっていた方がいいのか?
・ダンベルを下ろしている時は腕はひねっておらず、動作の最中に徐々にひねりながら上げるのがいいのか?
という話です。
ハイ、もう結論を言いましょう!
・動作中はひねらない方がいい!
です!
「どうしてか?」と言いますと以下の2点になります。
・負荷が他の筋肉に分散しやすくなる
・筋肉の走行の問題
負荷が他の筋肉に分散しやすくなる
フロントレイズはただでさえ首や僧帽筋や肩甲骨周囲筋に負荷が分散しやすいので、そこでさらに内にひねる動作を加えるとなると、もっと負荷が分散しやすいです。
確かに三角筋前部にも内側にひねる作用があるのですが、それ以上に競合が多くなるというか敵が多くなるというか、負荷の分散相手が増えますのでやめたほうが効きます!
筋肉の走行の問題
起始停止(つまり筋肉のスタート部とゴール部)や筋肉の走行などから、腕を肩から内側にひねる動きはあります。
実際、プロメテウス解剖学アトラスという機能解剖学の分厚い専門書にも「上腕骨の内旋(腕を肩から内側にひねる)」という作用が書いてあります。
しかし、腕を肩から内側にひねるに連れて、三角筋中部が真上に移動してきます。
そうすると、重力は真下にかかっているわけですので、三角筋中部にも強い刺激が入ることになります。
なので、腕をひねりすぎると三角筋前部も確かに収縮するけれど、三角筋中部もかなり動員するハメになってしまい、結果的に三角筋前部の刺激が低下します!
ですが「若干」はひねった方がいいと考えています。
「前腕をひねる」のではなく、「上腕をひねる」です。
前腕をひねる作用は三角筋上部にはないので!
肩からひねるの意識を持てばうまくいくと思います。
これは上記の「筋肉の走行の問題」と同じ理屈ですが、腕をひねらないで上げるとそれはそれで、腕橈骨筋の走行と同じになってしまい、腕に負荷が抜けやすいです。
なので、私の中での上げる時の腕のポジションに関しては以下になります。
腕をひねりすぎず、かと言って全くひねらないのも良くない。
なので、若干だけひねる。
ということになります。
⑥前傾しないで、直立を維持
私も以前までは前傾スタイルでやっていました。
こっちの方が収縮度合いは強くなるからです。
ですが、このフォームの弱点は下ろした時に重力が0になりやすところですね。
そうしないための対策として、下ろしの範囲を狭めてみましたが、「前傾ポジションで、完全に下ろし切らないフォーム」ですと、あまり重い重量が扱えなくなってしまいます。
軽い重量で、動きの幅を制限して(=パーシャル)行うのであれば、体を固定してできるスパイダーフロントレイズに譲ればいいので、あまりこのようなフォームで行うメリットがないんですよ!
ということで、直立を維持したほうがいいですね!
こちらのほうが、動きの幅が大きいのでこれ自体が筋肥大の要素になりますし、肩を下げての肩甲骨の固定もしやすいので負荷が抜けにくい!というのも大きなポイントになります。
⑦下ろしきった時に肘を少し曲げておく
直立姿勢でダンベルを完全に下ろしきってしまうと、三角筋前部とダンベルとの間のモーメントアームが0になるので、負荷がかからないです。
そこから腕を再度あげようとすると、もう一度三角筋前部に負荷を乗せてあげないといけないです。
このように毎回負荷を乗せる作業はけっこう大変なことなんですよね、、
しかし、できるだけ最大の可動域(=動く範囲)で動作をさせた方が筋肉への刺激が強まります。
そこで!
という戦略をとるのがいいですよ!!
⑧上げる時に若干アゴを引く
ダンベルを上げる時に少しアゴを引いてあげると、体のあおりが使いにくくなります。
⑨肩を遠くに伸ばすわけでも引き気味にするわけでもない
よくサイドレイズの時に、「腕を遠くに伸ばすように」とか「肩を遠くに伸ばすように」とか言います。
確かにサイドレイズではこのアドバイスも使えるのですが、ダンベルフロントレイズでは個人的には微妙だなぁと考えています。
肩や腕を遠くに伸ばすと、肩関節が内転寄りに動くため大胸筋上部に負荷が逃げやすくなります。
また、かと言って肩を引いて行うと肩が詰まってしまい、行き場がなくなったあげく、肩をすくませることで詰まりを逃しやすくなってしまうのでNGですね。
⑩肩の高さよりも少し上まで上げる
よく「肩の高さまで上げる」という説明を耳にしますが、実際のところもっと上げた方がしっかり収縮させることができます。
実際、腕を上げれば上げるほど三角筋前部の収縮を感じることができますよね。
ワンハンドフロントレイズの重量
これ以上重い重量(6RMとか)を扱うと、動作や意識のフォーカスに熟練していない限り、動作の再現性が低くなります。
また20RMよりも低重量を用いて行うのも、片手ずるの動作で両手の場合の倍のセット数必要になり、毎度集中してやる必要もあり、、、で時間も集中力も消耗が激しいのでおすすめしないです。
ということから現実的な重量の範囲は8〜20RM程度になりますね。
ワンハンドフロントレイズの回数
回数は重量と対応させて8RM8回〜20RM20回です。
ワンハンドフロントレイズのセット数
8〜12RMの比較的重い重量を扱う場合は、3セット行うのがいいと思います。
ワンハンドフロントレイズの休憩時間
私の個人的な感覚やお客さんを見ている経験として、休憩時間は短い方がいいと思います。
上記はだいぶ感覚的なことですが、私はこのように思っています。
ですので、8〜10RMなど重めの重量を扱う場合でも、なるべく1分程度の休憩を心がけて追い込んでもらった方がいいのかなと思います。
ワンハンドフロントレイズの動作族度
・上げ:1秒
・下げ:1秒
8〜12RMの時の下ろし
ワンハンドフロントレイズでは、8〜12RM程度の重めの重量を使うときは下ろしを強調しようとすると腕などに負荷が逃げやすいです。
そもそも下ろしでストレッチストレスが十分にかけられるわけではないので、あまり強調して下ろす必要性がないです。
なので1秒カウント下ろしくらいがいいと思っています。
12〜20RM
比較的軽い重量を扱う場合は、下ろしも1秒よりかは長めに時間をかけてあげてもいいと思います。(ですが2秒もかけなくていいです。)
少し丁寧めに下ろすというイメージでいいでしょう。
ワンハンドフロントレイズのプログレッション
・あまり重量にはこだわらない(重量よりもしっかりとオールアウトできたか?が大切)
・8〜20RMの範囲で「重い系をやる日」、「軽い系をやる日」に分け、交互に行う
あまり重量にこだわる種目ではないと思っています。
この種目で重量の更新にこだわるのなら、1種目目にナローショルダープレスを持ってきて、そちらの重量更新に注力したほうがいいですね。
ワンハンドフロントプレスの場合は、【いかに効かせることができたか?】がポイントになります。
そのためにはある程度の重量を使う被治用があるので、8〜20RMという負荷設定にしています。
その範囲内で、「重めの日」と「軽めの日」を設定して、それぞれが交互になるように配置するのがいいと思いますよ!
ワンハンドフロントレイズのおすすめプログラム
15RM15回、4セット、休憩1分
*12回に届かなかったらチーティングで12回を完遂する
これけっこうきついんですけど、かなりパンプしてバーン感もくるプログラムですよ!!
私はけっこう多用しています!
あとがき
か、かんせ〜〜〜い笑、、、
いかがでしたでしょうか?
今回も6,500文字をかけて解説してきました。
読んでいただいた中で何か新しい気づきや参考になった点があれば幸いです。
まだまだ筋トレ種目、サプリメントについての記事を書いていくつもりですので、定期的に見にきてくださいねー!!
最終更新:2019/08/31
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